2007年10月03日

柳家紫文・鬼平半可通

柳家紫文演芸界の久米宏と自称する優男(やさおこと)


寄席演芸に興味がおありの方、柳家紫文(やなぎやしもん)という、粋曲師をご存知でしょうか。


そのもちネタに、「鬼平半可通」というのがあります。


本来三味線に載せて語られてこそ味わいのあるものなのですが、仕方ありません、地のまま二つ紹介してみましょう。


『火付け盗賊改めかたの長谷川平蔵が、いつものように両国橋のたもとを歩いておりますと、一日の商いが終わったであろう一人のとんがらし屋が足早に平蔵の脇を通り抜ける。

向いから水商売らしき一人の女、 この二人が橋の上ですれ違う、というそのとき、とんがらし屋の身体が前のめりに崩れ落ちる。


「もし、とんがらし屋さん、怪我はなくて?」

「へぇ、お陰さまで、あっしはでぇじょうぶなんすがね、見てのとおり商売もんのとんがらしが、おい、とんがらし、おめーらでぇじょうぶか?」

「でぇじょうぶってばでぇじょうぶなんすがね、七味じゃなくなったんすよ」
「なに?」

「十二味になっちまったんで。七味にごみ(五味)が混ざりやした」』


『その火付け盗賊改めかたの長谷川平蔵が、いつものように両国橋のたもとを歩いておりますと、一日の商いが終わったであろう一人の飛脚屋が足早に平蔵の脇を通り抜ける。

向いから水商売らしき一人の女、 この二人が橋の上ですれ違う、というそのとき、飛脚屋の身体が前のめりに崩れ落ちる。

「もし、飛脚屋さん、怪我はなくて?」

「へぇ、お陰さまで」

「あの、あなた見たところ佐川さんの方じゃないし、クロネコさんとも違うみたいだけど、あなた大手の方じゃないわよね」

「おぉう、赤帽(あたぼう)よぅ」』


お後がよろしいようで。

次の機会にまた、他のネタを紹介しましょう。


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Posted by 微笑みの貴公子 at 09:45│Comments(0)エンタメ
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