2008年09月08日
博多・天神落語まつり
寄席での噺家はよく、
「どうぞ落語をあまり真剣に聴かないで下さいよ、身体に毒ですよ」
「どうぞ寝ていただいて結構です。客を寝かせるようになりゃ一人前と言われてますから」
などと笑わせます。
もちろん、それ自体をクスグリとして笑いをとるためのマクラですが、まんざらそうばかりではなく、本音も含まれていると思わせるところが寄席の雰囲気といえます。
博多には寄席がありませんので、演芸といえばこのようなホール落語に頼らざるを得ないのは、寄席の雰囲気こそ大好きな私としては大変残念です。
雰囲気が好きといって、寄席で寝るわけではありませんよ。
独演会で寝て追い出された客が、演者の談志と主催者を訴えた
「談志落語訴訟」というのがありました。
これはもちろん寄席での出来事じゃありませんので、判決どおり客の負けは当然のことでしょう。
ホール落語と寄席の違いは心得ねばなりません。
鼾をかいたり、ぐらぐらと躰をゆするなどで噺家より自分に客の注意を惹きつけてはいけませんが、寄席で静かに眠るのは一向に構わないのです。