お笑い界の現状

微笑みの貴公子

2009年02月16日 09:09

大家(おおや)の旦那が、酒・茶菓子を用意し、無理やり店子に下手な義太夫を聴かせる「寝床」という噺があります。


(この噺のオチ(さげ)については、2ちゃんねるにも取上げられていますが。)


この「寝床」の噺を解説した矢野誠一の20年前の著「落語讀本」に、次のくだりがあります。


自分の義太夫が下手だと認識している旦那は、聴衆に対してそれなりの配慮をしてるのであって、決して罪はない。それに比べると、こんにちのテレビに横行している安易な演芸のほうが、ずっと始末に悪いように思われる。


笑いを得ようとする発想の貧しさ、それを発散させる技術のなさ、まことに素人的なのである。


おかしなことに、テレビの芸は「ああ、俺でもできそうだな」といった感じを与えるもののほうが受けるらしくて、そうした素人芸が大手を振ってまかり通るというより、「素人っぽくないと売れない」と考えたほうが当たっているらしい。


これって、今のお笑いもまさにおんなじこと言われてますよね。

進歩ゼロなんですかね。



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